三菱一号館美術館（Mitsubishi Ichigokan Museum, Tokyo）は、東京都千代田区丸の内に位置する美術館で、19世紀末から20世紀初頭の西洋美術を中心に展示しています。この美術館は、1894年に建てられた三菱一号館を復元した建物内に設置されており、その建築自体も大きな魅力となっています。

設立と歴史

三菱一号館は、1894年にジョサイア・コンドルの設計により、三菱によって建設されました。日本における西洋風オフィスビルの先駆けとして知られ、当時の丸の内地区の発展に大きく寄与しました。その後、1968年に一旦解体されましたが、2009年にオリジナルの設計図を基にして復元され、2010年に三菱一号館美術館として再開館しました。

建物と施設

美術館の建物は、赤レンガ造りの外観が特徴で、内部は19世紀末の雰囲気を再現しています。建物自体が歴史的価値を持ち、訪れる人々にタイムスリップしたかのような体験を提供します。当時の製造方法や建築技術を可能な限り採用し、構造レンガ210万個、化粧レンガ20万個、およそ230万個をレンガ職人約100人が集結して積み上げられました。建物自体も一つの大きなアート作品と言えるでしょう。　内部には、以下のような主要な施設があります。

展示室：
- 常設展示：特定の常設展示はありませんが、19世紀末から20世紀初頭の西洋美術を中心にした企画展が定期的に開催されます。これにより、多様な美術作品を楽しむことができます。
- 企画展示室：特別展やテーマ展が行われ、訪れるたびに新しい作品や視点に触れることができます。
カフェ1894：
- リラックススペース：美術館内には「カフェ1894」が併設されており、訪問者は展示を鑑賞した後にカフェでくつろぐことができます。このカフェも歴史的な雰囲気を持ち、美術館の体験を補完する場となっています。
ミュージアムショップ：
- アートグッズ：展覧会に関連する書籍やグッズ、オリジナルアイテムなどが購入できます。
中庭：
- 自然と芸術の融合：建物を囲む中庭は、都会の中のオアシスとして美しい景観を楽しむことができ、散策や休憩に最適です。

コレクションと展示内容

三菱一号館美術館は、特定の常設コレクションを持たない代わりに、19世紀末から20世紀初頭の西洋美術を中心とした企画展を開催しています。これには、印象派、ポスト印象派、アール・ヌーヴォーなど、多様な美術運動に関連する作品が含まれます。過去には、ルノワール、モネ、ゴッホ、ロダンなどの著名なアーティストの作品が展示されました。